今回のテーマは「少年野球チームの体験会チラシのデザインについて」です。
少子高齢化が叫ばれて久しい日本社会ですが、こと少年野球チームは、選手集めとなるとその影響をもろに受けてしまう組織のひとつでしょう。
野球以外の他のスポーツへの関心も強まっていく中で、子どもの絶対数の減少と、競技人口の減少という二重苦に悩まされているのが現状です。
そのため、都市部か地方かを問わず、チームの統廃合・吸収合併・解散といったケースを眼にすることは今や珍しいことではありません。
ですから、チーム存続のためには、少しでも野球に興味を持ってくれた子どもを、言い方は悪いですが「逃がさず拾い上げる」ことが非常に重要です。
その手段の一つとして用いられる「入団体験会チラシ」について、今回は考えてみましょう。
少年野球で体験会・部員募集のチラシ制作は重要
体験会チラシの重要性について
一般的に、子どもが少年野球チームに入団するルートとしては、
・既に入団している友達の紹介で入る
・両親や兄・姉などが既に関わっている(いた)チームに入る
・知人から紹介を受けて入る
・全く接点の無いところへ団員募集広告を見て入る
といったパターンが考えられます。
このうち、4番目の「団員募集広告を見て入る」ケースのみが、保護者も子どもも「全く知らない場所に飛び込む」ことになるでしょう。
2022年現在は地域にもよりますが、かつてのように通う小学校や学区で入団できるチームが事実上決められているケースが少なくなってきているので、活動に参加できるエリアであれば、複数の候補から入団先を選ぶことが可能な環境であるといえます。
そうなると、まずは「どうやってチームを探すか?」という問題に突き当たります。
多くの家庭では、親子でキャッチボールをして遊ぶために、スポーツショップへ初めてのグラブを買いに行くことが想定されますね。
その際に、ショップスタッフさんはほぼ必ず「どこかのチームに入っているか」を聞くでしょう。
入っていなければ、地域の各チームの入団者募集・体験会ポスターが貼られている一角を紹介してくれることが多いはずです。
その瞬間からチーム選びという名の選手争奪戦が始まります。
「どのチームなら野球が楽しくやれそうか…」
「どのチームなら子どもを安心して任せられるか…」
そういったイメージを持ってもらうためにも、将来の選手とのファーストコンタクトとなるチラシは非常に重要です。
少年野球の体験会・部員募集チラシの作り方
さて、実際にチラシを作るとなると、そういった作業の経験がある方なら問題ないかもしれませんが、大半の方は迷ってしまいますよね。
以下に4通りの方法をご紹介します。
チラシを地元の業者に依頼する
専門の広告・デザイン会社などに依頼し、チームロゴや写真といったデータを提供した上で綿密な打ち合わせを行い、全体のデザインをオーダーメイドしてもらう方法です。
完成度は最も高くなることが期待でき、完全なオリジナリティを持ったデザインにできることから、人目を引く効果も高くなるでしょう。
しかし、その分費用もそれなりにかかってしまうのが難点です。
また、最低ロット数(100枚など)が定められている業者も多いため、必要枚数に対して余剰分が出てしまう可能性も考えられます。
そのため、予算が十分にあり、チラシの掲示により入団・体験希望者が一定数以上やってくる可能性が高い、といった場合であれば良いかもしれませんが、そもそも競合チームが少なかったり、見てくれる可能性のあるターゲットが少なかったりする場合、結果的に過剰投資になってしまうこともあるでしょう。
なお、スポーツショップで業者を紹介してくれたり、作成注文まで受け付けているところもあるので、一度ショップに相談してみるのも手かもしれません。
チラシをオンライン業者に依頼する
オンライン受注を行っているチラシ作成サイトに依頼する方法です。
発注側でデータを用意すれば、印刷から納品までを全てワンストップで行ってくれるサービスです。
例としてラクスルを挙げると、テンプレート数が豊富で、かつ自前のMicrosoft WordやPowerpoint、Adobe Illustratorデータも使えるので、業者と対面で相談して作成する場合と遜色のないものを作ることも可能です。
最小ロットも10部からになるので、無駄が出る可能性も低く抑えることができます。
チラシが足りなくなった場合、手軽に増刷を依頼できるのも良いところです。
欠点としては、ある程度の心得がある人にデザインデータの作成を依頼できない場合、テンプレートにパーツや文章をはめ込んでいく形になるため、どうしても同じ方法で作った他のチームのチラシと似通ったものができてしまう可能性がある点です。
また、成果物の最終確認は画像データによるものになるので、実際に印刷されたサンプルを手に取って見ることが出来ないことに不安を持つ方もいるかもしれません。
チラシをフリーランスデザイナーに依頼する
ココナラやランサーズ、クラウドワークスといったクラウドソーシングサイトなどで、チラシやポスターの制作を請け負っているフリーランスのデザイナーにデザインの作成を依頼する方法です。
業者(デザイン会社)に比べると、デザイン費用を安く抑えられることが最大のメリットでしょう。
無料修正回数を設けている人もいるので、最初のデータ確認から少しずつ修正を入れていくこともできます。
ただし、データのみの納品になる場合がほとんどなので、紙の調達と印刷は自分たちでやらなければならないことになります。
成果物がデータでの確認になる点もオンライン業者同様です。
チラシを完全に自作する
チームロゴや写真・またフリーのイラスト素材などを組み合わせ、デザインから印刷までを完全に自前で行う方法もあります。
業者や外部のデザイナーを一切介さないため、費用面では最も安く抑えることができるでしょう。
ただし、「誰がデザインを作るのか」という、最大の問題点が存在します。
チーム関係者にデザインの技術がある人がいれば任せてもいいかもしれませんが、プロに仕事をしてもらうのと変わりないため、当然それなりに謝礼を出す必要はあるでしょう。
また、チームの保護者会などで広報のような役職があれば、その担当者に頼んでもいいかもしれません。
しかし、この場合も任せきりにするのではなく、デザインや文言などはなるべく大人数の意見を集約し、先に盛り込む内容をある程度決めておく必要があります。
この方法であれば、業者に任せるよりも融通が効いたり、「自分たちで作り上げた」という達成感を得られたりするメリットが考えられます。
しかし、デザイン技術を持っていない人たちだけで作ると、どうしても「手作り感」の強いものが出来上がってしまったり、試行錯誤に時間をかけているうちに、作成担当者の負担がどんどん大きくなっていってしまったりとしているうちに、資金と時間を合わせたトータルコストが業者に頼むよりもいつの間にか上回っていた、というケースもままあります。
加えて、既存のチラシとほぼ同じデザインを使ったり、ロゴを引用したりすると、著作権法違反になってしまう可能性もありますので、そういった部分についてのチェックも必要になります。
そのため、予算最優先である程度割り切った、ごくごくシンプルなチラシを作る場合に限れば、メリットの得られる方法であるかもしれません。
以上、4通りの方法を挙げましたが、これらの中から「求めるクオリティ」「予算」「デザイン可能な人員の有無」「費用対効果」といった点から総合的に判断し、どの方法を取るのがベストなのかをよく考えた上で決める必要があるでしょう。
少年野球の体験会チラシに盛り込む内容
実際に体験会チラシに記載する内容ですが、チーム名や連絡先は勿論のこと、
・対象年齢・学年
・活動日・時間
・体験会開催日
これら3つは少なくとも必要です。
体験会の開催日に関しては、例えば「毎月最終日曜日」などと固定されているならば問題ありませんが、月によって開催曜日や時間の変動がある場合、逐次更新が必要になり、そのたびにチラシを新しいものに取り替えたり、体験会の部分だけ上から紙を貼りなおすなど、コストがかかってしまいます。
チラシの貼り換えや再配布はせいぜい年に1~2回でしょうから、もし1年分・半年分のスケジュールが確定できない場合は、事前連絡の上随時体験可、という形にしてしまうのも一つの手ですね。
少年野球体験会のチラシ制作のまとめ
今回は少年野球の体験会チラシについての話題を取り上げました。
皆さんの参考になる部分はありましたか?
最後までお読みいただきありがとうございました
少年野球の部員募集・体験会のチラシのデザインを集めてみました
ベースボールジャパンでは体験会の有無や、団員の募集法を監督のインタビュー時に来てい来たのですが。
せっかくここまで聞いてきたので、小学校やコンビニで貼っている学童・少年野球のサンプルやテンプレートを集めてみることにしました。新しくチラシやパンフレットを作る時に参考にしていただければ幸いです。