ピッチャーにとっての筋肉痛になりやすい場所とは?
野球をやる上で、筋肉痛はどうしてもつきものであり、だからこそ練習後・トレーニング後はしっかりとケアしなければなりません。
ピッチャーをやる人は人一倍神経を使う必要があります。その理由は肩にあります。
肩は消耗品と言われているように、使えば使うほど肩の筋肉や骨が疲弊し、すぐに故障してしまいます。では、そうならないようにどのように気を付けていればよいのでしょうか。
そもそも筋肉痛とはどういった現象なのでしょうか。
実
ピッチャーにとっての筋肉痛のケアとは
人間は筋肉を使うことで運動します。運動の内容によっては、筋肉をフルに使ったり、普段使わない筋肉を使ったりします。その際、筋繊維が切断されることで、その後に痛みが発生します。
ピッチャーの場合、試合中や練習で投げ込んだ後であれば、上半身の筋肉を中心に集中して使うことから、肩や肘、背中周辺の筋肉の繊維が切断され、そこを回復させる過程で筋肉痛が生まれるのです。
これは、どれだけ良いフォームでピッチングをしていたとしても、筋肉に負担がかかるためで、筋トレを積んでいるプロでも同じことがいえます。そのため、練習で投げ込んだ後や試合後には、必ず肩のケアが必要になります。
肩は消耗品と言われているように、使えば使うほど肩の筋肉や骨が疲弊することで、故障につながってしまいます。そうならないように気を付け、行うメンテナンスがアフターケアなのです。
アフターケアをしっかりと行うことで、疲労を軽減させることができ、故障もしにくい状態を作り出すことができます。
今回は、ピッチャーにとって重要なアフターケアについてご紹介します。
そもそも筋肉痛とはどういった現象なのか
実は、筋肉痛がおこるメカニズムは、医学的には解明されていません。
これまでは、疲労物質である乳酸の蓄積が原因だとされていました。運動中の疲労で放出される乳酸が溜まると、中性である筋肉が酸性になり、筋肉が硬くなってしまうことで炎症や痛みを引き起こすとされていたのです。
ただ、乳酸そのものは、運動後すぐに低下することから、この通説の矛盾点となりました。
そのことから、乳酸が原因であると断定できなくなり、現在では、運動によって傷ついた筋繊維を修復するときに発生する痛みということが有力視されています。
ピッチャーがコンディションを整えるのに行うべきケア
筋肉痛がどのような現象なのかについては理解いただけたかと思いますが、そのような痛みが出そうであったり、既に痛みが出ているのであれば、アイシングが効果的です。アイシングを行うことで、炎症や痛みを抑えることができるからです。
アイシングの重要性
アイシングは、ピッチャーにとって試合で投球した後や投げ込んだ後の肩のケアには欠かせないケア方法です。
肩を冷やすことで、炎症の範囲を少しでも狭くすることができることから、早く疲労を除去することが可能です。例えばその当日に再登板などがあるような場合であればするべきではありませんが、試合後や練習が終わった後であれば取りいれるといいでしょう。
アイシングの正しいやり方
クールダウンせずにアイシングを行う選手もいますが、まずはキャッチボールやストレッチなどのクールダウンを行い、その後にアイシングを行うようにします。
時間は10~20分程度を目安とします。使ってから時間が経ってしまうと、あまり効果がありませんので、出来る限りクールダウン後の早いタイミングで行うようにしましょう。
また、いくら疲労が溜まりにくくなるといっても、試合の途中や練習の途中にアイシングはしないようにしましょう。
アイシングを行うことで筋肉は硬くなってしまいます。冷やした肩で動きが悪くなった筋肉を全力で使うということは故障させようとする自爆行為でしかありません。
お風呂に入った後にストレッチを行うことも大切
お風呂も、シャワーではなく、湯船につかるようにしましょう。筋肉を温まった状態で、使った部位を中心に筋肉を伸ばしてやってください。
練習前後に、スポーツドリンクやクエン酸を含む食物を摂ることも重要です。体が疲れていると、体内の糖分が不足するため、自然と糖分を欲するようになります。
それを補うためにスポーツドリンクとBACC等のアミノ酸は筋肉の損傷を防ぐので、かならず運動の前に摂取することをおすすめします。
久しぶりに運動をして筋肉痛になってしまう人も多いのですが、日々鍛錬している人でも筋肉痛は起きます。たかが筋肉痛と思って舐めていると、大きな怪我にもつながってしまう可能性がありますので、毎日きちんとケアするようにしましょう。
アイシング以外で取り入れたい試合後のケア
試合後、アイシングだけのクールダウンでは、十分なケアができていないといえます。
アイシングを行う前に、肩や肘、背中の筋肉をほぐすための軽いキャッチボールを取り入れてみましょう。ほぐしてやることで、筋肉痛を抑える効果があります。
また、疲労回復を行うためには、全身の血流を促進させることが不可欠です。
アイシングでは使い込んだ筋肉などの局部を冷やすことで血流を抑え、炎症を抑える働きがありますが、デメリットとしては筋肉を回復させるための治癒を促進する効果が遅くなってしまうことがあります。つまり、アイシングを行うと疲労回復を遅らせてしまいます。
ですが、試合後や練習後にジョギングを取り入れることで、全身の血流を促進させることで、疲労回復を促すことができます。そのため、肩や肘の痛みを抑えるためのアイシングと合わせて、全身のケアとしてはジョギングを取り入れてみましょう。