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野球のポジションと背番号の関係について(少年野球からプロ野球・MLBまで)

ポジションと背番号の関係について

このシリーズでは、野球のルールや小ネタなどについて取り上げていきます。
今回ののテーマは「ポジションと背番号の関係について」です

目次

野球のポジションと背番号の関係をとは?

野球における背番号の歴史

野球など、2チームが同じフィールド・コートで入り乱れる競技の多くや、一部の個人競技において、選手を識別するために導入されている背番号・ゼッケンナンバー。


今でこそ当たり前のように使われており、スター選手にとっては代名詞のようにも扱われていますが、そもそも野球で背番号が使われ始めたのはいつなのでしょう?

野球で初めてユニフォームに番号を付けたのは、1916年のMLBクリーブランド・インディアンスだったと言われていますが、その時は背中ではなく左袖に番号が付けられていました。


その頃既に、アイスホッケーやニグロリーグ(アメリカの黒人野球リーグ)などでは背番号や袖番号が導入されていましたが、MLBにおいては様々な理由から導入がうまく進みませんでした


転機が訪れたのは1929年のこと。


ニューヨーク・ヤンキースがついに「背番号」をユニフォームに付けます。


その時はレギュラー選手が打順に応じて1桁の番号を付け、投手は10番台、控え野手はそれ以上の番号を与えられました。


ベーブ・ルースの伝説の背番号「3」は、この時に誕生したものです。
その後、背番号は次々と他球団にも採用されていきましたが、番号の付け方は各球団によって様々でした。

日本においては、1931年夏の甲子園大会から背番号が導入されました。


その時既に、レギュラー選手が投手~右翼手まで守備番号通りに1~9を付け、控え選手が10以降を付けるという、2022年現在でも変わっていない方法が取られています。


1936年のプロ野球誕生時も、当初から背番号が使用されていますが、こちらもチームにより付け方は異なっており、「打順通り」「名字のいろは順またはあいうえお順」などがあったそうです。

背番号とポジションの関係

では、2022年現在における各団体での背番号とポジションの関係はどのようになっているのでしょうか


残念ながら全ての団体を網羅するのは難しいので、代表的なケースをピックアップします。(尚、今回は「ポジションと背番号の関係」がテーマのため、打撃で功績を残した選手に関しては割愛します)

日本プロ野球(NPB)


基本的に「1~10は野手」「11~21は投手」という傾向は、全12球団でほぼ共通しています。


その経緯は諸説ありますが、先のニューヨーク・ヤンキースの付番方法と大方一致していることから、日本プロ野球が歴史を重ねるにつれ、この方法が各球団で一般化していったものと考えられます


例外的に、1桁でも1は投手の守備番号であることから、2022年シーズンではイーグルス、ホークスと、投手が使用している球団が度々見られます。


また、10番台でも12は野手(主に捕手)が付けることが比較的多い他、ホークスの19は野村克也氏の往年の活躍もあり、捕手の番号として甲斐拓也選手が2020年シーズンから受け継いでいます。


その他、球界を代表する名選手が背負っていた番号にあやかって、同じポジションの選手が同じ番号を着用するケースが定着しています。


例として挙げると、「左投手の番号:13、34、47」「捕手の番号:22、27」「外野手の番号:51」といったものです。


その他にも各球団それぞれに「ジャイアンツ:18」「ベイスターズ:27」「ドラゴンズ:20」「ファイターズ:11」など、エースナンバーが存在しています。

メジャーリーグ(MLB)


一方、メジャーリーグでは「1~10は野手」という傾向は残っているものの、10番台でも野手の使用が非常に多く見られます。


これは、選手数が多くなるにつれ、例えば「捕手は1桁」「内野手は10番台」「外野手は20番台」「投手はそれ以上」というように、野手に若い番号を付けさせる方法を取るチームが多かったためとも言われています。


もちろん、10番台を付け永久欠番になるほどの成績を残した投手も存在しますが、メジャーリーグの歴史と球団数の割にその数はさほど多くありません。


加えて現代では、1桁番号を付け活躍する投手も少数ですが登場し(現役選手では「ブレイク・スネル:4」「フリオ・ウリアス:7」「アダム・オッタビーノ、マーカス・ストローマン:0」など)、他にも学生時代に着用した番号や、マイナーリーグから昇格してきた時に与えられた大きな番号をそのまま使う選手が増えていることもあり、ポジションと背番号の結びつきは緩やかになりつつあります。


余談ですが、メジャーリーグでは監督やコーチが若い番号(現役時に付けていた番号が多い)を使うケースが珍しくなく、70以降に集中する傾向にある日本プロ野球とは大きく違います。


近年は日本でも監督が若い番号を着用するケース(2023年シーズンでは「新庄剛志:1」「吉井理人:21」「高津臣吾:22」「新井貴浩:25」)も増えてきましたが、ファンからはまだまだ賛否両論が出る話題です。

硬式社会人野球


社会人野球では、基本的に「11~21は投手」という傾向がある以外は、チームごとに異なる付番方法が取られています。


例えば「捕手は22・27、内野手は1桁、外野手は20番台」や、「ポジション関係なく野手は1桁か20番台」などです。


チームによっては「ポジションごとのレギュラー番号」が存在することもあり、前任者からレギュラーポジションを番号ごと引き継ぐケースも見られます。


なお、社会人都市対抗野球独特の制度である「補強選手」については、ポジションに関係なく空き番(30番台以降であることが多い)を割り当てることが一般的です。


監督・コーチについても、付番方法はチームにより異なりますが、監督は30か50、そうでなければ大きい番号を背負うケースが多いようです。

大学硬式野球


大学野球でも、社会人野球に近いチームごとに違った付番の傾向がありますが、大きく違うのが「学年」の存在です。


特に強豪校で顕著ですが、下級生時には大きな番号だった選手が、進級し若い番号を与えられるケースが一般的です。


また、伝統ある学校ほど「ポジションごとのレギュラー番号」が存在することが多い点も、社会人野球と共通している点ですね。


例外として、シーズンごと・試合ごとに背番号の変更が頻繁に行われる大学も存在します。


ただ、大学野球では各連盟ごとに監督・コーチ・主将の番号が決められていることが大半のため、主将の背番号だけはポジションに関係なく優先されます。


一方、リーグ下部に在籍するなどチーム力がさほど高くなく、野球部の歴史も浅い大学などは、比較的自由に選手たちが好きな番号を選んでいることが多いようです。

高校野球


歴史の項でも触れましたが、高校野球の背番号の付け方は至ってシンプルで、1~9がポジションに対応したレギュラー選手、10~登録上限番号までが控え選手です。


ただし、控え選手の中でも、10、11、18は投手が多い、12は捕手が多い、といったある程度の傾向は存在します。


また、主将が控え選手の場合は10を付けているケースが多く見られます。

中学硬式野球(ボーイズ・シニアリーグ・ポニー・ヤングリーグ他)


リトルシニア、ボーイズリーグ、ポニーリーグ等の各団体がありますが、団体によって背番号の付け方そのものの状況が異なっています。


例えばリトルシニアは出場登録選手は1~25番と定められており、その中で各チームごとに違う付け方が取られています。


一方、ボーイズリーグは何番までという規定が無いため、入団時やシーズン開幕時に貰った番号のまま出場メンバーに登録されるケースも多く、時には70番台、80番台といった選手も確認できます。


このように、中学硬式野球ではどちらかといえばポジションよりもチームごとの選手登録状況に背番号が関係しているケースが多いようです。

中学軟式野球(中学部活・中学軟式クラブチーム)


中体連が主催する大会の場合、高校野球と同じく、1~9がレギュラー選手、10~登録上限番号までが控え選手になります。

少年・学童軟式野球


地区により多少の差異はありますが、基本的にはJSBB(全日本軟式野球連盟)のルールが適用されるため、監督が30、コーチが28・29、主将が10と決められています。


付け方はチームにより様々ですが、最も一般的なのは、シーズン開始時点でのレギュラー選手に1~9(主将除く)を渡し、それ以外の選手には11から順に付与していく(状況に応じて0や主将が本来入るポジションの1桁番号を使う)タイプでしょう。


かつては選手が使用可能な番号が0~27まででしたが、現在は0~99と番号の自由度が増したため、チームによっては主将以外は好きな番号を選ばせるパターンもあるようです。


その場合はポジションと背番号の関係性はさほど大きくなくなるでしょう

一般軟式野球チーム


いわゆる「草野球」ですが、こちらもJSBBのルールに従い、監督が30、主将が10と決められている以外は、0~99までが使用可能です(軟式野球連盟に登録していないチームはこの限りではありません)。


ただ、実業団チームや強豪クラブチームでもなければ、番号を「与えられる」よりは「空き番から自分で選ぶ」ことができるチームが大半であると思われます。


その結果として、これまで他のカテゴリで取り上げた付番傾向にある程度近くなることもあれば、1桁の投手に10番台の野手、やたら大きな番号を付けた選手、といったようにパターンから大きく外れる場合も考えられます。


いずれにせよ「好きな番号を付けられる」ことが、草野球の楽しみの一つでもありますね

「野球のポジションと背番号の関係」のおわりに

今回はポジションと背番号の関係についての話題を取り上げました。
皆さんの参考になる部分はありましたか?


最後までお読みいただきありがとうございました。


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