少年野球のビヨンドマックスの歴史とその特徴は?

最近はメインの記事「監督インタビュー」でも学童・少年野球のバットなども気を付けてみるようにしていますのが、ビヨンドマックス、特に最新のモデル「ビヨンドマックスレガシー」の性能はすさまじいらしく、神宮球場で学童野球の選手がスタンドインしたのを見てビックリされた方も多いと思います。

ここでは、話題の野球の道具について取り上げていきます。
今回のテーマは「ビヨンドマックス・レガシまでの歴史について」です。

目次

そもそも「ミズノ社のビヨンドマックス」とは?


前置きとして、まずは軟式野球のバットの歴史について軽く触れておきましょう。
野球のバットといえば、木製バットか金属バット。


テレビでプロ野球と高校野球くらいしか見ないという方にとっては、この2種類しかまず目にすることは無いでしょう。

特に軟式野球に限った話では、金属バットの使用が解禁されて以来、ごく稀に木製バットを使うバッターが見られた以外は、ほぼ100%金属バットが使用されてきました。

その後、1990年代後半ごろから、主にFRPを打撃部に採用したバットが登場します。

軽くて振り抜きやすく、反発係数も金属バットに比べて高いという長所を持っていましたが、初期のFRP素材バットには、「劣化が早い」という弱点がありました。

また、当時の軟式球は、2022年現在使用されているM号・J号球より2世代前のモデルになりますが、打球速度や飛距離が現行球と比較してかなり落ちるものであり、「投手戦になりがち」という問題を持っていました。

そこで、全日本軟式野球連盟が各用具メーカーに「飛ぶバット」の開発を要請し、ミズノの研究チームも開発に取り組みます。

その結果として、「変形の大きい軟式球を飛ばすためには、逆にバットを変形させてやればいい」という発想に辿り着き、2002年、打撃面に柔らかいウレタン系素材を使用したバットが生まれました。

これが「ビヨンドマックス」の始まりです。

ビヨンドマックス の歴史 始まりとその特徴

初代ビヨンドマックスは2002年に登場

2002年に初代ビヨンドマックスが発売されると、軟式野球界ではすぐに話題となり、順調なセールスを記録していきます。

しかし、ビヨンドマックスにはウレタン素材ゆえの短所もありました。
「打感が弱い」という点です。


ビヨンド登場以前の金属・FRPバットは、当然ながらバットでボールを叩いた感触がしっかりと伝わりますが、ビヨンドの場合、ウレタン部が衝撃を吸収してしまうため、「ポコン」という感覚で、「芯で捉えた感覚が弱いのに飛んでいく」という違和感を持つ選手も少なくありませんでした。

2005年新型ビヨンドマックス登場


そこで2005年に登場したのが、金属とウレタンを組み合わせたタイプの新型ビヨンドマックスです。

飛距離と打感の両立を実現したことで、今までその独特の打感から敬遠していた層にも手に取ってもらえるようになり、売上本数は更に伸びていきます。


一方で、主に中学生以下の大会での使用禁止事例などもあり、ジュニア向けを中心に売れ行きが伸び悩む時期もありました。

2006年 ビヨンドマックスオーバルが誕生


その後は芯を楕円形にした「ビヨンドマックスオーバル」

ビヨンドマックスは飛距離は出るのですが、打ち損じ損じを減らすためにボールとの接触面を大きくするして接地面を増やすためにビヨンドマックスオーバルが発売されました。メーカーではヒットが生まれる角度にボールに飛ぶ確率が30%増えたと主張しています。

現在でも野球チームでもまだ使用しているものを見かけます。

その後は芯が十字型の「ビヨンドマックスクロス」、飛距離向上型の「ビヨンドマックスキング」が開発され、多用なニーズに答えて行こうとする展開になりましたが、ビヨンドマックスとしての基本コンセプトは変わりませんでした。

大幅なモデルチェンジが行われたのは、2014年に発売された「ビヨンドマックスメガキング」です。
素材と構造の見直しにより、旧モデルの「キング」よりも、8%もの反発係数の向上を実現。


翌2015年には、表面に凹凸加工を施した「ビヨンドマックスメガキングII」へのマイナーチェンジが行われました。

更に次の年の2016年には、スイートスポットを拡大させ、飛距離のみならず打率アップも狙える「ビヨンドマックスメガキングアドバンス」、それに表面の凹凸を加えた「ビヨンドマックスメガキングアドバンスII」が相次いで発売されています。

その後、2017年には軟式球のM号・J号球への転換に対応した「ビヨンドマックスギガキング」が登場。

更に2018年にはマイナーチェンジモデル「ビヨンドマックスギガキング02」が発売されます。

2020年まで販売されたギガキング02は、2022年現在でも使っている選手を目にすることがそれなりにあります。

そして2022年現在も軟式野球界を席巻しているのが、2020年12月に登場した「ビヨンドマックスレガシー」です。

ギガキング02から更なる軽量化・また約7%もの高反発化を実現し、もはや投手にとってはバッターがレガシーを持っているだけで恐怖を感じる領域にまで到達しています。

登場から2年ほど経つレガシーですが、トップバランスに続きミドルバランスもラインナップされ、更には限定モデルとして「ちょっと重め」のモデルも登場するなど、あらゆるタイプの打者に受け入れられるバットとして、軟式用高性能バットのトップに君臨し続けています。

ビヨンドマックスが学童・少年軟式野球界に与えた影響


ビヨンドマックスの登場により、軟式野球では特に外野守備のポジション取りが大きく変わりました。


以前は硬式野球に比べるとだいぶ前寄りに守っていたのが、ハイレベルな試合では、今や硬式とあまり変わらない守備位置まで外野が下がるケースも珍しくなくなりました。

特に、外野にフェンスの無い多面球場では、いわゆる「けんぽシフト」(注:埼玉県の「大宮けんぽ球場」で、長打を警戒して外野を極端に下げるシフト)が取られるケースも多くあります。

ホームランも増え、硬式に負けず劣らずのダイナミックな試合が展開されるようになりましたが、その一方で投手泣かせ・外野手泣かせのバットであることも否定はできないでしょう。

一塁手・三塁手にとっても、左右それぞれの打者の強烈な引っ張りの打球は脅威です。


現在では「あまりに飛びすぎる」ため、防球ネットを飛び越えて近隣住宅の設備を破損させてしまうこともあることから、東京都練馬区の北大泉野球場など、「木製バットのみ使用可」の球場も、住宅街の中にある球場を中心に増えてきています。

また、バット開発の面でも他のメーカーに与えた影響は大きく、多くのメーカーが「飛ぶバット」の開発に追随しています。

例を挙げると、ZETT「ブラックキャノン」ローリングス「ハイパーマッハ」SSK「ライズアーチ」「MM18」アシックス「バーストインパクト」「レガートゼロ」ディマリニ「K-POINT」といったシリーズが展開されていきました。


特にSSK「MM18」は、2022年現在はビヨンドマックスレガシーと並ぶ「飛ぶバット」の二大巨頭として、軟式野球界のトップシェアを争っています。

学童・少年野球にビヨンドマックスはアリ?ナシ?


ビヨンドマックスシリーズはもちろん少年野球用もラインナップされており、2022年11月現在では「ビヨンドマックスレガシージュニア」が発売中です。


78cm/560gと80cm/570gの2モデルがあり、どちらもトップバランスとなっています。

また、カタログ外のモデルとして、廉価版の「ビヨンドマックスEV2」、前述の「ビヨンドマックスオーバル」の構造を進化させた「ビヨンドマックスオーバルVA」といったバリエーションも展開されています。

さて、ここで段落のテーマでもある、「少年野球でのビヨンド使用はアリかナシか」という話題を取り上げてみましょう。

結論から言ってしまうと、「ルール上使用可能なのであれば、最終的には本人・指導者・保護者の判断」ということになります。


その上で、少年野球でビヨンドマックスを使うことによるメリット・デメリットをそれぞれ考えていきます。


学童・少年野球でビヨンドマックス・レガシーを使うメリットとは?


ビヨンドマックスは少年野球でボールを飛ばす楽しさを感じられる


野球は言わば「打ってなんぼ」のスポーツです。

「打撃と守備のどちらが好きか」という質問をすれば、圧倒的に打撃が好きという意見が上回るでしょう。


最初はビヨンドマックスの力を借りてでもヒットを打てれば、バッティングが好きになり、「もっと打てるようになりたい」という気持ちが強くなり、練習に力が入るという好影響も期待できます。


それは逆に、打てないことで野球が面白くなくなり、最悪の場合野球をやめてしまうという悪循環を生んでしまう可能性もあることを意味しています。


これは大人になってから草野球を始めた人にも共通して言えることでもあり、「ヒットを打つ楽しさ」から「野球をする楽しさ」を感じることは、野球を始めたばかりの人にとっては何よりも大切なことでしょう。

ビヨンドマックスは守備レベルの向上も期待できる


ビヨンドマックスを使う、つまり強いゴロやライナー、大きなフライが飛ぶケースが増えるとなると、必然的に守る側もその打球に対応しなければなりません。

そのため、先程外野守備が大きく影響を受けた話をしましたが、外野に限らず全てのポジションが強烈な打球に対応できるような守備を身に付ける必要があります。


そういった意味では、打撃偏重になりがちというだけではなく、「打撃も守備も両方ともレベルが上がる」という効果も期待できるでしょう。

学童・少年野球でビヨンドマックスを使うデメリットとは?

理想的な打撃フォームが身に付かない可能性がある



ビヨンドマックスの最大の売りである、「飛距離が伸びる」という点は、裏返せば「とりあえず当たれば飛ぶ」という見方もできなくはありません。

理想的ではないフォームでも打てる状態を続けていった場合、「バットが変わった時に全く打てなくなる」「故障のリスクが高くなる」といった問題が出てきます。


特に将来的に硬式野球への移行を考えている選手にとっては、いわゆる「手打ち」が癖になってしまっていると、硬式球と金属バットの組み合わせに変わった時、一から打撃フォームを見直す必要に迫られ、苦労をすることになる可能性が考えられます。


しかし、例えビヨンドマックスを使ったとしても、自分に合ったバッティングフォームを探し、それを体に染み込ませる練習を繰り返していけば、バットが変わっても力強い打球を飛ばせるスイングを身に付けることは可能です。


ビヨンドに理想的なフォームが合わされば、まさに鬼に金棒とも言えるでしょう。

金銭面による成績の差が出てしまう


性能面以外のデメリットとして、ビヨンドマックスは他の素材のバットと比較するとかなり高価であることが挙げられます。

参考までにビヨンドマックスレガシーの場合、一般用モデルが約5万円、少年用モデルが約4万円。
他のタイプの高性能バットより、平均して1万円ほど高く設定されています。


金属バットであれば1万円を切る価格で販売されているものも少なくないため、この価格差は無視できるレベルではありません。


ただでさえ競技を始めるときの初期費用が高いと言われている野球において、バットだけで4万円を出せる家庭と、数千円の金属バットしか買う余裕のない家庭では、その時点で既に「バットの性能」という差が生じており、それが打撃成績、ひいてはレギュラー争いにまで影響すると考えると、軽視はできないでしょう。


この問題については、ビヨンドマックスを始めとする高性能バットを使用禁止とするチーム内ルールを作る、あるいは部費からチームバットとして高性能バットを用意するなど、指導者と保護者が相談の上で事前に決めておく必要があると考えられます。

ビヨンドマックス・レガシーのメリット、デメリットのおわりに


今回は軟式野球用バット「ビヨンドマックス」についての話題を取り上げました。
皆さんの参考になる部分はありましたか?


学童・少年野球でのインタビューでもほとんどのチームが最低1本はビヨンドマックスのどれかを所有しており、特に最新型のレガシーの数が増えてきており、その他の高反発のバットもよく見かけます


これからも、ビヨンドマックスのニューモデル等の情報を追記していきたいと思います

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