野球のキャッチャーが意識すべき手首の強化とは?効果的な筋トレの方法
野球のキャッチャーは、投手とバッテリーを組みチームの勝利に貢献する重要なポジションです。相手の点数につながらないよう、捕球、送球、盗塁阻止、帰塁阻止といった様々な役割を担っています。
世代にもよりますが、ヤクルト古田捕手、横浜・中日で活躍した谷繁捕手、ダイエーや阪神・メジャーで活躍した城島捕手、巨人であれば阿部捕手などに憧れて目指したなんて人もいるのではないでしょうか。
そのようなポジションなだけあって、それらの役割を全うするためには、強靭な肉体が必要になります。特にしゃがんだ状態から盗塁を阻止するための送球には、素早い動作としっかりと踏ん張れる下半身が必要です。
先に挙げたレジェンド的なキャッチャーや現役で活躍している人気キャッチャーも、その土台はこのような強靭な肉体なのです。
つまり、できるだけキャッチャー向けに特化した効率的な筋トレを行うことで、野球選手というだけでなく、よりキャッチャーとして活躍できる体作りを行えるのです。
その中でも今回取り上げたいのが肩や手首の筋肉です。キャッチャーは強肩が必要とよく言われますが、肩だけではなく、手首も強化する必要があるのです。
そこで、この記事では、野球のキャッチャーとして活躍するのに意識したい手首とその効果的な筋肉のトレーニング方法について解説します。
キャッチャーが意識すべき手首の強化
キャッチャーは、送球を行う際に多くの筋肉を必要とします。特に強肩が求められますが、それと同じくらい手首を鍛えることも重要です。なぜなら、手首がキャッチャーとしてプレーする上での生命線だからです。
内野手・外野手も送球する際は、キャッチしたポジションから助走することも可能ですが、キャッチャーの場合、しゃがんだ姿勢からファーストやセカンドに向かって素早く送球する必要があります。
そのため、キャッチャーミットの微妙な加減でのコントロール、送球時の手首の角度と固定する力など、手首の筋力が影響するシーンは多くあるわけです。
手首自身でボールを投げるわけではありませんが、肩から腕、そしてボールへと力を伝播する中で、手首がしっかりしていないと、手首でそこまで伝わってきた力もフルにボールに伝わらない。それを防ぐために手首を強化する必要があるのです。
また、手首を強化することで怪我を防止することができます。逆に捕球時や送球時に負担がかかって手首を傷めてしまうと、プレーそのものに影響してしまいます。
投打の強化、手首の怪我防止の観点から、強い筋肉と合わせて柔軟性も必要になります。筋トレと合わせてストレッチを充分に行うようにすることで、低く伸びのある送球ができ、キャッチャーとして活躍できるのです。
キャッチャーの為の手首のトレーニング
手首を強化するためにはトレーニングが必要です。手首は7つの筋肉から支えられています。
・回外筋(かいがいきん)
・浅指屈筋(せんしくっきん)
・腕橈骨筋(わんとうこつきん)
・橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
・母指対立筋(ぼしたいりつきん)
・円回内筋(えんかいないきん)
・長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)
回外筋、浅指屈筋、腕橈骨筋は、手首を支える働き、橈側手根屈筋、母指対立筋、円回内筋は、内側に回転させる働き、そして長橈側手根伸筋は外側に回転させる働きがありますので、それらの筋肉群を鍛える必要があります。
特にキャッチャーの場合、送球の強化を目的に行うのであれば、バーベルリストカールなど手首の内側をより強化できるトレーニングが効果的です。
キャッチャーの為に手首の筋トレ
手首を鍛える筋トレには色々な種目があります。バーベルやダンベルを使ったトレーニングがメインになります。
特に投げることに効果的な筋トレとしてはバーベルリストカールがあります。
バーベルリストカールの方法を解説すると、
1.ベンチ台を用意する
2.バーベルの重量を自分の筋力に適した重さにする
3.肩幅程度で肘位置を調整し、ベンチ台に腕を固定してバーベルを持つ
4.手首だけの力で、ゆっくりと自分にバーベルを近づけるように手首を上げる
5.重さを感じながら、ゆっくりと元の位置に戻していく
この手順で、20回1セット、3セット行うようにします。
しかし、自宅でバーベルやダンベル、ベンチ台なんて持っていないという方もいるでしょう。
自宅で簡単に手首をトレーニングしたい場合、ビール瓶や一升瓶、ペットボトルを利用してトレーニングすることが可能です。
自宅で手首をトレーニングしたい場合は、ビール瓶に砂を詰めたものを用意します。
実際に使ってみて軽いという場合は、1リットルや2リットルなどもう少し大きなペットボトルや一升瓶などで行うようにします。逆に重いと感じた場合には、500mlペットボトルなどの小さい容器に砂を詰めて行うようにしましょう。
大切なことは、手首だけを使うということを意識するということです。トレーニングを初めて行うという場合には、無理をしないように正しいやり方を身につけるためにも少ない回数を行うようにします。
慣れてきたら、1日50回を3セット程度行うと良いでしょう。もちろん、重量に問題がないのであれば、鉄アレイなどを用意して行うとさらに効果的だといえます。
手首のストレッチ
手首は低く伸びのある送球を行うのに必要な要素の一つです。また素早く正確に捕球するためには、ミットの微調整などを行うのにも手首の柔軟性は大切だといえます。
手首の俊敏性や柔軟性を向上させるためには、手首をぐるぐると回すリストロールというストレッチや、上下左右に手首を振る運動がいいでしょう。
この運動であれば、どこでもいつでも行うことができます。
関節可動域が広がることで、怪我を防ぎ、プレーパフォーマンスを向上させることができます。ぜひ普段から行うようにしてみましょう。